マーケットゲーム

PYP探究ユニット「将来の夢」が始まった青組(年長)さん。
(PYPについてはこちらをご覧ください)

このユニットは「私たちは自分たちをどう組織しているのか」という
教科の枠をこえたテーマのもと行う探究活動のひとつ。
6週間かけて探究していくなかで
「それぞれが役割をもって生きている」ということを、
実感を伴って理解していってほしいと思っています。
(PYPでは、こうした探究の末子どもたちに実感を伴って理解してほしい概念を、
中心的アイディア(Central idea)と呼びます。)

このユニットでは
・それぞれの仕事がもっている役割
・仕事と私たちの生活とのつながり、仕事と仕事とのつながり
・自分が果たしたい役割
を、子どもたちとともに探究していきます。

そんな子どもたち。
昨日、今日と、クラスごとに「マーケットゲーム」※をしました。
この「マーケットゲーム」は、毎年度、本短期大学保育専攻2年生の授業と
コラボレーションして行っているものです。

今年のテーマは「にんぎょうのくに」。
先月の「たのしい音楽会」で合唱組曲「くるみわり人形」を演じた青組(年長)さんが
「にんぎょうのくに」にある色々なお店が忙しいので手伝ってほしい、と頼まれ
少人数のグループに分かれて仕事をすることに・・・
仕事の種類は、おはなや、ほんや、おもちゃや、ふくや、ケーキや、えかきや
の6つで、グループごとに好きな仕事を選んで商品をつくり
それを売ってお金をもらいます。
稼いだお金では、別のお店に行って商品を買うことができ、
この「にんぎょうのくに」では、買い物をすると
「しあわせメーター」というものが上がることも教えてもらいました。
お店で買い物をすると、
おはなやでは、お花を見ると優しい気持ちになれるから「やさしさメーター」のシール
ほんやでは、本を読むといっぱい勉強ができるので「勉強メーター」のシール
おもちゃやでは、おもちゃを買って遊ぶと楽しい気持ちになれるので「楽しさメーター」のシール
えかきやでは、絵を見ると嬉しい気持ちになれるので「喜びメーター」のシール
ケーキやでは、甘いものを食べると「おいしい!」って気持ちになれるので「おいしさメーター」のシール
ふくやでは、おしゃれになれるので「おしゃれメーター」のシールがもらえます。
このメーターをバランスよく増やしていき、
6種類のメーターが横一列にそろうごとに、
自分はもちろん、お店の仲間やくにに暮らしているみんなを大切に幸せにできたごほうびとして、
お金をたくさんもらえるというルールです。
ここには、「それぞれの役割をもつお店があるおかげで、
わたしたちは幸せに生活することができている」ということを
子どもたちに伝えたいという願いがこめられています。

さっそく商品づくりスタート。
「にんぎょうのくに」のお兄さんお姉さん(学生)たちにつくり方を教えてもらい
用意された素材を使って、Tシャツ、バラの花、ラッパなどをつくったり
金平糖を測って袋に詰めたり、
字を書きこんで本を完成させたり
絵に必要なパーツを貼って絵を仕上げたりしていく子どもたち。
出来上がった商品が、次々と商品棚に並べられました。
お店の準備が整ったら開店です。
お客さんに品物を売ったり
売ったお金で、他のお店に買い物に行ったりして、お金のやり取りを体験しました。
「しあわせメーター」をバランスよく増やすために
「わたしお花屋さんにいくから〇〇ちゃんはケーキ屋さんに行ってね」と
分担して計画的に買い物をしたり
人気の商品は売り切れないように多くつくったり
出来上がった商品をお客さんが選びやすいように種類ごとに並べたり
「商品はみんなが一生懸命心を込めてつくっているものだから」と
買ってきたものを大切に扱おうとしたり・・・
子どもたちは、つくる人、売る人、買う人の気持ちを考えたり
お金を増やすにはどうしたらよいか頭を使ったりしながら
夢中になっていました。
今回登場したのは6つの仕事でしたが
これから、自分たちの身の回りにある色々な仕事にも目を向け
それぞれの仕事がもつ役割、
仕事と私たちの生活とのつながり、仕事と仕事とのつながり
などについて感じたり考えたりしていきたいと思います。

※「マーケットゲーム」は、2006年度から2008年度に山梨学院小学校が
 文部科学省から研究開発学校の指定を受けおこなった
 「アントレプレナー教育」実践において開発された活動です。
 別名「市場体験型シミュレーションゲーム」とも言われます。
 「社会のミニチュア」とも言える空間の中で、子どもたちは、
 コミュニケーション力、チームワーク力、状況判断力、柔軟な問題解決力など、
 様々な力を複合的かつ総合的に発揮していきます。

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