マーケットゲーム

PYP探究ユニット「将来の夢」が始まった青組(5歳児)さん。(PYPについてはこちらをご覧ください)

このユニットは「私たちは自分たちをどう組織しているのか」という
教科の枠をこえたテーマのもと行う探究活動のひとつ。
6週間かけて探究していくなかで「それぞれが役割をもって生きている」ということを、実感を伴って理解していってほしいと思っています。
(PYPでは、こうした探究の末子どもたちに実感を伴って理解してほしい概念を、中心的アイディア(Central idea)と呼びます。)

この探究ユニットでは
・それぞれの仕事がもっている役割
・仕事と私たちの生活とのつながり、仕事と仕事とのつながり
・自分が果たしたい役割
を、子どもたちとともに探究していきます。

昨日、今日と、クラスごとに「マーケットゲーム」※をしました。
この「マーケットゲーム」は、毎年度、本短期大学保育専攻2年生の授業とコラボレーションして行っているものです。

今年のテーマ、昨夏開催された「2020東京オリンピック パラリンピック」の選手村と、先月の「たのしい音楽会」で青組(5歳児)が演じた「11ぴきのネコ」のイメージを取り入れた「ねこむら2020」。


オリンピックの選手村に遊びに来たねこたちから
「選手村のお店がとってもすてきだから、ぜひ、ねこむらに来てお店を開いてほしい」と頼まれて
少人数のグループに分かれて仕事をすることに・・・
仕事の種類は、どうぐや、やおや、おかしや、くすりや、はなや、ふくやの6つで
グループごとに好きな仕事を選んで商品をつくり、それを売ってお金をもらいます。

稼いだお金で、別のお店に行って商品を買うこともでき、この「選手村」では、買い物をすると「しあわせメーター」というものが上がることも教えてもらいました。
お店で買い物をすると、
おかしやでは、お菓子を食べるとお腹いっぱいになるので「まんぷくメーター」のシール
どうぐやでは、なにかをつくるときに道具を使うと便利なので「べんりメーター」のシール
やおやでは、野菜を食べると強い体になるので「けんこうメーター」
くすりやでは、薬を飲むと病気が治るので「げんきメーター」
はなやでは、花を見ると優しい気持ちになれるので「やさしさメーター」のシール
ふくやでは、素敵な服を着るとおしゃれができるので「おしゃれメーター」のシール
をもらえます。

このメーターをバランスよく増やしていき、
6種類のメーターがそろうごとに、
自分はもちろん、家族やお店の仲間を大切に幸せにできたごほうびとして、
お金がたくさんもらえるというルールです。
ここには、それぞれの役割をもつお店があるおかげで、わたしたちは幸せに生活することができている、
そのことを子どもたちに伝えたいという願いがこめられています。

子どもたちは、さっそく商品づくりをスタート。
ねこ(学生)たちにつくり方を教えてもらいながら、用意された素材を使って、
ビニール紐を割いて刷毛をつくったり、糸の長さを計ったり
ジャガイモ、スイセンの花、栄養剤、クッキーなど
それぞれのお店の商品をつくっていきました。




出来上がった商品が、次々と商品棚に並べられお店の準備が整ったら開店です。
お客さんに品物を売ったり、売ったお金で、他のお店に買い物に行ったりして、
お金のやり取りを体験しました。



「〇〇が少なくなったからつくろう!」と足りない商品に気づくと声をかけあってつくったり、
夢中になってお客さんを呼び込んだり、
「しあわせメーター」をバランスよく増やすために
「げんきメーターがたりないね」「じゃぁ、僕がくすりやさんに行ってくるよ」と協力したりと
みんなそれぞれ一生懸命。


商品をお客さんに渡すときに両手で丁寧に渡したり、
お客さんの目を見て「ありとうございました」「大切にしてくださいね」と
お店屋さんの気持ちになって言葉をかけたり、
商品を受け取るときに「ありがとうございます」と言ったりする姿もみられました。

さらに2日目の今日は、
「おかしやさんでカボチャのロールケーキをつくるには、やおやさんでカボチャを買わなければいけない」
「くすりやさんで甘い薬をつくるには、おかしやさんで飴を買わなければいけない」
など、6つの仕事がつながっていることを意識できるようなルールも加わり
子どもたちは、仕事と仕事のつながりやお店同士が支え合って成り立っていることも
感じることができたようです。

今回登場したのは6つの仕事でしたが
これから、おうちの方の仕事や、自分たちの身の回りにある仕事にも目を向け
それぞれの仕事がもつ役割、仕事と私たちの生活とのつながり、
仕事と仕事とのつながりなどについて、感じたり考えたりしていきたいと思います。

※「マーケットゲーム」は、2006年度から2008年度に山梨学院小学校が文部科学省から研究開発学校の指定を受けおこなった「アントレプレナー教育」実践において開発された活動です。別名「市場体験型シミュレーションゲーム」とも言われます。「社会のミニチュア」とも言える空間の中で、子どもたちは、コミュニケーション力、チームワーク力、状況判断力、柔軟な問題解決力など、 様々な力を複合的かつ総合的に発揮していきます。

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