マーケットゲーム

 PYP探究ユニット「将来の夢」が始まった青組(5歳児)さん。(PYPについてはこちらをご覧ください)
このユニットは「私たちは自分たちをどう組織しているのか」という
教科の枠をこえたテーマのもと行う探究活動のひとつ。
6週間かけて探究していくなかで「それぞれが役割をもって生きている」ということを、
実感を伴って理解していってほしいと思っています。
(PYPでは、こうした探究の末子どもたちに実感を伴って理解してほしい概念を、中心的アイディア(Central idea)と呼びます。)

 この探究ユニットでは
・それぞれの仕事がもっている役割
・仕事と私たちの生活とのつながり、仕事と仕事とのつながり
・自分が果たしたい役割
を、子どもたちとともに探究していきます。

昨日はMONEY DOCTOR山梨支社の方々からお金に関するお話をきき、
お金はお仕事をしてお客さんに喜んでもらったり、役に立ったりすることでもらえるもので、
「ありがとう」と交換するもの、と教えていただきました。
そして、今日と明日の二日間は、クラスごとに「マーケットゲーム」※に挑戦。
この「マーケットゲーム」は、毎年度、本短期大学保育専攻2年生の授業と
コラボレーションして行っているものです。
 
今年の舞台は、先月の「たのしい音楽会」で青組(5歳児)が演じた「雪わたり」のイメージを取り入れた
「きつねのもり」。
森で暮らしているきつねたちから
「きつねのもりでは世界のお話に出てくるものを売っているお店があるから手伝ってほしい」と頼まれて
グループに分かれて仕事をすることに・・・
仕事の種類は、どうぐや、やおや、おかしや、くすりや、はなや、ふくやの6つで
グループごとに好きな仕事を選んで商品をつくり、それを売ってお金をもらいます。


稼いだお金で、別のお店に行って商品を買うこともでき、
この「もり」では、買い物をすると「しあわせメーター」というものが上がることも教えてもらいました。
お店で買い物をすると、
おかしやでは、お菓子を食べると笑顔になるので「スマイルメーター」のシール
どうぐやでは、なにかをつくるときに助けてもらえる「おたすけメーター」のシール
やおやでは、野菜を食べるとお腹いっぱいになるので「まんぷくメーター」
くすりやでは、薬を飲むと病気が治るので「けんこうメーター」
はなやでは、花を見ると優しい気持ちになれるので「やさしさメーター」のシール
ふくやでは、素敵な服を着るとおしゃれができるので「おしゃれメーター」のシール
をもらえます。

このメーターをバランスよく増やしていき、6種類のメーターがそろうごとに、
「自分はもちろん、家族やお店の仲間を大切に幸せにできたごほうびとして、お金がたくさんもらえる」
というルールです。
ここには、それぞれの役割をもつお店があるおかげで、わたしたちは幸せに生活することができている、
そのことを子どもたちに伝えたいという願いがこめられています。

子どもたちは、さっそく商品づくりをスタート。
きつね(学生)たちにつくり方を教えてもらいながら、用意された素材を使って、
薬に見立てた短いストローの量を測って袋に入れたり、お花紙をお花になるように一枚一枚丁寧に広げたり・・・
他にも、カブ、着物、レンガ、キャンディなど、それぞれのお店の商品をつくっていきました。



出来上がった商品が、次々と商品棚に並べられお店の準備が整ったら開店です。
お客さんに品物を売ったり、売ったお金で、他のお店に買い物に行ったりして、
お金のやり取りを体験しました。



商品棚の並べ方を工夫したり、「いらっしゃいませー!」とお客さんを呼び込んだり、
「しあわせメーター」をバランスよく増やすために
「まんぷくメーターがないね」「じゃぁ、僕がやおやさんに行ってくるよ」と協力したりと
みんなそれぞれ一生懸命。
商品を渡すときにはお客さんの目を見て「ありとうございました」と言葉を添えて
両手で丁寧に渡す姿も見られました



明日は、「6つの仕事がつながっていること」を意識できるような新たなルールも加わる予定です。
この活動をとおして、仕事と仕事のつながりやお店同士が支え合って成り立っていることを感じてくれたら
嬉しく思います。

※「マーケットゲーム」は、2006年度から2008年度に山梨学院小学校が文部科学省から研究開発学校の指定を受けおこなった「アントレプレナー教育」実践において開発された活動です。
別名「市場体験型シミュレーションゲーム」とも言われます。
「社会のミニチュア」とも言える空間の中で、子どもたちは、コミュニケーション力、チームワーク力、状況判断力、柔軟な問題解決力など、 様々な力を複合的かつ総合的に発揮していきます。

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