青組「マーケットゲーム」
昨日と今日の2日間は、本短期大学保育専攻科2年生の授業とコラボレーションして行っている「マーケットゲーム」に挑戦!
「マーケットゲーム」は、2006年度から2008年度に山梨学院小学校が文部科学省から研究開発学校の指定を受けおこなった「アントレプレナー教育」実践において開発された活動です。別名「市場体験型シミュレーションゲーム」とも言われます。「社会のミニチュア」とも言える空間の中で、子どもたちは、コミュニケーション力、チームワーク力、状況判断力、柔軟な問題解決力など、 様々な力を複合的かつ総合的に発揮していきます。
今年の舞台は、先月の「たのしい音楽会」で青組(5歳児)が演じた『ながぐつねこ』と、『長禅寺菜守り隊』として活動している子どもたちの興味関心をいかした「YG共和国 ~カラバ侯爵と長禅寺菜を広めよう!~」。
何か、国の名物になるものが欲しいと考えているYG共和国の王様。
カラバ侯爵とネコは、長禅寺菜を国民のみんなに育ててもらって、名物にすることを思いついたのですが、育て方を知らないそう….
「え!?ぼくたち、長禅寺菜育てたことあるから、知ってるけど!」と青組(5歳児)の子どもたち。
カラバ侯爵とネコ、お店屋さんの店長さんたちに、「長禅寺菜の育て方を教えてほしい」「お店屋さんの商品を売って、『長禅寺菜の種』と、『すくすく剤』を手に入れたいから手伝ってほしい」と頼まれて…グループに分かれてお店屋さんの仕事をすることに。
お店屋さんの種類は、本屋さん、靴屋さん、ドラッグストア、お菓子屋さん、アクセサリー屋さんの5つ。
グループごと、どのお店を担当するかを決めて…商品をつくり、それを売ってお金をもらいます。
本屋さんで商品を買うと賢くなれる。靴屋さんで商品を買うと、安全に過ごせる。ドラッグストアで商品を買うと元気に。お菓子屋さんで商品を買うと、笑顔に。アクセサリー屋さんで商品を買うとおしゃれになれる…
ここには、「それぞれの役割をもつお店があるおかげで、わたしたちは幸せに生活することができている」ことを子どもたちに伝えたいという願いがこめられています。
稼いだお金で、別の4つのお店に行って商品を買うことができ、各お店で一緒にもらえるシールを4種類(1列)揃えると、「がんばりメーター」をアップさせることもできます。
このメーターをバランスよく増やしていき、4種類のメーターがそろうごとに、『長禅寺菜の種』と『すくすく剤』を受け取ることができるというルールです。
その『すくすく剤』を使って育てた長禅寺菜を王様のところへ持っていくと、ごほうびとして、100枚の報酬をもらえます。
子どもたちは、さっそく商品づくりをスタート!
用意された素材を使って、それぞれのお店の商品をつくっていきました。
商品ができあがると、次々に商品棚に並べて、お店の準備が整ったら開店です。
お客さんに品物を売ったり、売ったお金で他のお店に買い物に行ったりして、お金のやり取りを体験しました。
「いらっしゃいませー!」とお客さんを呼び込んだり、「〇〇が、もう売り切れ~!」と、足りない商品に気づくと「つくらなきゃ」と声をかけあったり…
「がんばりメーター」をバランスよく増やすために「どのお店のシールが足りない?」と確認し合ったり、「ドラッグストアで買い物してくる!」と協力し合ったり…それぞれ張りきっている子どもたちでした。
2日目の今日は、昨日の経験から、それぞれチームで話し合って…作戦会議は万全な様子。
どのお店にもレベルアップ商品が追加されて、購入するとシールが2枚もらえることに。「本屋さんが、靴屋さんでスニーカーを買って、交換所に持っていくと、レベルアップ商品の『しおり』の材料を手に入れることができる」「靴屋さんがドラッグストアで歯ブラシを買うと、レベルアップ商品の『革靴』の材料を手に入れることができる」といったように、5つの仕事がつながっていることを意識できるようなルールも加わりました。
さらに、「がんばりメーター」を3列そろえると、昨日より増量した長禅寺菜の『すくすく剤』を受け取ることができ、育てた長禅寺菜を王様に届けると、昨日の3倍(300枚)の報酬を受け取れることに。
子どもたちの歓声と「がんばるぞー!」の気合の声で、お店屋さんスタート!!
商品を買いに行く人、お店屋さんの接客をする人、商品をつくる人と、役割分担をしたり、「がんばりメーター」を3列そろえられるよう、レベルアップ商品の準備をしたり…
結果は…どのチームも昨日より、たくさんのお金を稼ぐことができてみんな大喜び!作戦大成功でした。
商品のやりとりで、手渡す際、「元気になってくださいね」「笑顔になってくださいね」などと、それぞれのお店の役割にあった言葉をそえる姿も見られ、素敵だなと思いました。
子どもたちは仕事と仕事のつながりやお店同士が支え合って成り立っていることも感じることができたようです。
今回登場したのは5つの仕事でしたが、これからも、まち探検で出合ったいろいろなお仕事や、おうちの方の仕事、自分たちの身の回りにある仕事にも目を向け、それぞれの仕事がもつ役割、仕事と私たちの生活とのつながり、仕事と仕事とのつながりなどについて、感じたり考えたりしていきたいと思います。
本短期大学専攻科2年生の皆さま、たのしい実践をありがとうございました。
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上記の保育は、本園のPYP探究ユニット「将来の夢」のカリキュラムとして計画しております(PYPについてはこちらをご覧ください)。
◆教科の枠をこえたテーマ: 私たちは自分たちをどう組織しているのか
◆中心的アイディア(Central idea):それぞれが役割をもって生きている
(PYPでは、探究の末子どもたちに実感を伴って理解してほしい概念を、中心的アイディア(Central idea)と呼びます。)
◆探究の流れ:・それぞれの仕事がもっている役割
・仕事と私たちの生活とのつながり、仕事と仕事とのつながり
・自分が果たしたい役割